2010年10月5日火曜日

Gene Hanner

 先日の夕方、友人の出品している伝統工芸展を日本橋でみて、その足で湯島にあるホステス用の衣料品屋へ作品用の頭髪を買いにまわりました。この店は私のことを覚えていてくれて、何に使うか知っているので、めんどうがありません。安くしてくれます。頭髪といっても無論人造で、かつらをバラして使います。
 不忍池に出ると骨董市がたっていました。あたりは暗く裸電球の光をたよりに何時ものように大工道具などを物色していました。すると、ある店で写真が目につき、値段次第で買おうかなと考えました。六切りの写真が2枚あり1枚は戦前のドイツの雑誌”みみずく”にあるような神話的な題材のダンスをしている女性数人の写真で。もう1枚はダンサーのポートレートでGene Hannerと署名がネガから焼きつけられてます。印画紙の粒状から大型カメラによる撮影でしょう。ただ複写が入っているかもしれません。ポートレートの方を買いました、額がついていたので2000円でした。
 店の主人によると、とあるバレー教室の先生がドイツに留学していた際に入手したもので、その方は80歳になる女性だそうです。ということは、ドイツでリアルタイムで入手したものなら、ベルリン 20年代のものではないかも知れません。あるいは、留学時に世話になった先生の若かりし頃の写真かも。
 とにかく、不忍池の夜店でベルリン20年代の写真を買うなんて(そのときは、そう信じていた。)むかしの東京人になったようでウキウキして帰りました。村山知義、藤牧義夫なんて名前があたまをよぎりました。

 下の写真は、だいぶまえに古本屋で500円で買った同じく六切りの写真です。アメリカの商業用の写真原稿でしょう。